多くの配信者が使用している棒読みちゃんは、配信中のコメントを音声で読み上げてくれるソフトです。
しかし、棒読みちゃんの使い方をマスターしている方は少なく、簡易的な読み上げソフトとして利用しているのではないでしょうか。
本記事では、棒読みちゃんの使い方として細部までこだわったカスタマイズ方法について解説します。
棒読みちゃんを活用した配信では、配信者が視聴者のコメントに気づきやすくなる点が最も大きなメリットといえるでしょう。
コメントの読み逃しは視聴者離れに直結しやすく、多くの配信者が気をつかう項目の一つです。
棒読みちゃんの使い方をマスターしている方は、辞書機能や音量のカスタマイズなどをおこない、配信自体の邪魔にならない高性能なツールとして活用中です。
本記事で棒読みちゃんの使い方をマスターして、ぜひ自分の配信に反映させてみてください。
はじめに棒読みちゃんを導入する手順について次のように解説します。
それぞれの手順を確認しつつ、棒読みちゃんをインストールしましょう。
まずは、棒読みちゃんを無料配布しているサイトFight Not Foundから棒読みちゃんをダウンロードしてください。
青いダウンロード(β版)ボタンを押すと、Onedriveに移行します。
表示されたフォルダをクリックして、ダウンロードページに移りましょう。
ダウンロードボタンをクリックし、任意の場所に保存したらSTEP2に進んでください。
保存された棒読みちゃんの圧縮フォルダを解凍し、フォルダを開きます。
フォルダを開いたら「BouyomiChan.exe」をダブルクリックして起動させてください。
起動すると初回設定のポップアップが表示されるので、すべて「いいえ」を選択しましょう。
さまざまなプラグインが表示されますが、有効にすると日常的な使用中にも棒読みちゃんが起動するため、注意しましょう。
ファイアウォールやセキュリティソフトにより、機能がブロックされる可能性があります。
機能をすべて使用するためにはアクセスを許可してください。
棒読みちゃんの準備が整ったので、次はコメビュを導入しましょう。
棒読みちゃんにYouTube LiveやTwitchでコメントを読んでもらうためには、YouTube/Twitchに対応したコメビュ(コメントビューアー※1)が必要です。(※1コメントを閲覧、管理するための専用ソフト)
本記事では棒読みちゃんのカスタマイズに富んでいるコメビュである、CastCraftを使用して設定手順を解説します。
CastCraftは棒読みちゃんの起動を自動化できる機能もある、非常に便利なコメビュです。
2024年3月から、CastCraftはTwitchでも利用可能になりました。
CastCraftの導入手順は、次のとおりです。
設定する項目が多くなりますが、焦らずに一つ一つ設定しましょう。
まずはCastCraft公式サイトにアクセスし、CastCraftをダウンロードしてください。
ダウンロードしたアプリケーションを起動すると、インストールがはじまります。
棒読みちゃんの初回起動時と同様に、インストールの際にファイアウォールが表示された場合はアクセスを許可してください。
CastCraftを起動したら、「CastCraftにログイン」ボタンを選択してログインしましょう。
ログインするアカウントは、YouTube LiveかTwitchにて配信を行うアカウントでログインしてください。
CastCraftの「YouTube」タブ(Twitchでログインしている場合は「Twitch」タブに切り替えてYouTube Studio(もしくはTwichの配信マネージャー)が表示されたら、完了です。
YouTubeタブ(もしくはTwitchタブ)で、配信で使いたいものとは異なるチャンネルが表示されている場合は、画面上で正しいアカウントに切り替えてください。
STEP3では棒読みちゃんとCastCraftの両方で設定が必要となるため、先に棒読みちゃんの設定から解説します。
棒読みちゃんを起動し、スパナマークの設定ボタンから設定画面に移動します。
設定画面を開いたら、左側の項目から「アプリケーション連携」を選択します。
「Socket連携」の項目を確認し、「True」の状態でポート番号をコピーしてください。
コピーしたらCastCraftを起動しましょう。
CastCraftの左上にある「設定」を押して「棒読みちゃん連携」タブを開いてください。
コピーしたポート番号を貼り付け、読み上げるメッセージ内容を指定します。
コメント投稿者の名前を読んでからコメント内容を読むようにする場合は、上記画像のように「読み上げるメッセージ」を設定しましょう。
最後に「保存」を押し忘れないように注意してください。
そのまま閉じてしまうと、保存されずに再設定が必要になります。
すべての設定が完了したら、実際にテスト配信して棒読みちゃんが動くかを確認しましょう。
コメントを読んでもらえるか確認するために、「限定公開」でテスト配信してみましょう。
棒読みちゃんを起動した状態で、YouTube Liveを始めましょう。
CastCraft上でYouTube Studioを開けばすぐに配信できるため、覚えておくと便利です。
このとき、配信の状態を「限定公開」にしないとチャンネル登録者に配信開始の通知が届いてしまうので、注意してください。(※非公開ではコメントができないため、棒読みちゃんの確認ができません。)
YouTube Studioでライブ配信を開始しても、OBSで接続しなければ配信は始まりません。
OBSの「配信の管理」から「既存の配信を選択」タブ内にある配信を選択して開始してください。
OBSで配信を開始したあとは、CastCraftを配信に接続しましょう。
「YouTube」タブが配信中であることを確認し、「Live Dashboard」タブを選択した状態で「配信に接続」ボタンをクリックしてください。
最後に、自分でコメントして棒読みちゃんがコメントを読み上げるのかを確認してください。
読み上げられなかった場合は、棒読みちゃんの起動に失敗している可能性やCastCraftと連携できていない可能性があるため、再度確認しましょう。
CastCraftの左上の設定から「棒読みちゃん連携」タブを開いてください。
読み上げてもらう文章をカスタマイズするためには「読み上げるメッセージ」の内容を変更します。
下記の画像のようにカスタマイズした場合は、「〇〇さんが△△とコメントしました」と棒読みちゃんが読み上げるようになります。
面白い内容にしたりコメントをわかりやすくしたり、さまざまなカスタマイズが考えられるため、独自の読み上げ文章を作成してみてください。
CastCraftの棒読みちゃん設定内で「いつでも投げ銭のメッセージのみ読み上げる」という部分をONにしてしまうと、通常のコメントは読み上げられなくなります。
コメントを読み上げてほしい方はこの部分をOFFにしましょう。
CastCraftでコメントが取り込めていない場合は棒読みちゃんへのコメント送信ができません。
CastCraftでコメントを取り込む方法をご確認ください。
CastCraftでは未対応のニコ生等の配信プラットフォームの場合は、マルチコメントビューアー(マルチコメビュ)やわんコメなど、ほかのコメビュを用意しましょう。
とくにおすすめのコメビュはマルチコメビュです。
ここでは、Twitchやニコ生のコメントを棒読みちゃんで読み上げる方法として、マルチコメビュを用いた方法を解説します。
まずは、ニコ生のコメントを閲覧するためのツールであるマルチコメビュをパソコンにインストールしましょう。
配布サイトにアクセスして、ダウンロードしてください。
安定版とベータ版どちらでも問題ありませんが、不具合の少ない安定版がおすすめです。
ダウンロードしたインストーラーの手順に従い、インストールしてください。
インストール後、マルチコメビュを立ち上げてみて問題なければ完了です。
マルチコメビュは、配信サイトを選択してURLを貼り付けるのみでコメントを閲覧できます。
具体的な設定手順は、次のとおりです。
また、マルチコメビュは複数の配信を同時に閲覧できるので、さらに「接続を追加」から追加できます。
視聴者を獲得できる幅が広がることから、近年では同時配信する方も増えてきており、Twitchとニコ生で同時配信する際に活用してみてください。
配信に接続すれば、コメビュ欄にコメントが表示されます。
接続名にてどのサイトのコメントなのかを確認できますが、配信中はじっくりコメントを確認できない場合もあるでしょう。
しかし、マルチコメビュの色分け機能を活用すればコメントの背景が配信サイトごとに分けられるので、判断しやすくなります。
左上の「設定」から背景色や文字色をカスタマイズしてみてください。
マルチコメビュの使い方をマスターしたら、最後に棒読みちゃんと連携させましょう。
設定の隣にある「プラグイン」タブから「棒読みちゃん連携」をクリックしてください。
「棒読みちゃんにコメントを読んでもらう」にチェックを入れ、棒読みちゃんのexeファイルのパスをコピーして貼り付けてください。
また、マルチコメビュの起動や終了に合わせて棒読みちゃんも起動・終了ができるので、チェックを入れておきましょう。
棒読みちゃんのexeファイルのパスは、ファイルにカーソルを合わせて右クリックすればコピーできます。
コピーしたパスは「””」で囲われているので、貼り付けた際は両端の「””」を削除してください。
マルチコメビュと棒読みちゃんを連携させて、Twitchやニコ生の配信でも読み上げ機能を活用しましょう。
棒読みちゃんのカスタマイズ設定の中には、辞書登録機能があります。
辞書登録とは、棒読みちゃんが読み上げるテキストの読み方を登録できる機能です。
たとえば「偽物」とコメントが投稿された際、デフォルトの設定では「ぎぶつ」と読み上げてしまいます。
辞書登録にて「にせもの」と登録すれば正しい読み方で読み上げられるので、配信中に違和感のあるコメントの読み上げは都度変更してみてください。
棒読みちゃんの便利なカスタマイズ設定には、タグ機能(コマンド機能)と呼ばれる便利な機能があるので、ぜひ活用しましょう。
コマンドを設定すると、視聴者が棒読みちゃんに命令できるようになるので、視聴者とともに楽しめる配信を作り上げられます。
棒読みちゃんのコマンド設定方法は、次のとおりです。
まずは棒読みちゃんを開き、「配信者向け機能」を有効化しましょう。
有効化するためには、「その他」メニューの下にあるモニターのようなボタンをクリックしてください。
ボタンの絵が青色の状態で有効、灰色の状態で無効です。
続いて、配信者向け機能ボタンの左隣にある設定ボタンをクリックしてコマンドの条件を設定しましょう。
棒読みちゃんの設定を開いたら、配信者向け機能をクリックして「配信者向け機能を有効にする」がTrueにであることを確認してください。
Trueでない場合は、クリックしてTrueになるよう設定しましょう。
設定後、棒読みちゃんに指示を出したいコマンドをコメントで視聴者が入力すれば、棒読みちゃんが指示通りに動作します。
さまざまなコマンドがあり、視聴者が棒読みちゃんに漢字の読み方を教育できるほか、声質の変更も可能です。
棒読みちゃんへの指示コマンドであるタグを覚えて、視聴者に教えてあげましょう。
コマンド | 効果 | 入力例 |
---|---|---|
y) | コメント内容を声質1(女性1)でゆっくり読み上げ | y)ゆっくりです |
b) | 声質2(女性2)で読み上げ | b)女性2です |
h) | 声質3(男性1)で読み上げ | h)こんにちわ |
d) | 声質4(男性2)で読み上げ | d)男性だよ |
a) | 声質5(中性)で読み上げ | a)中性ボイス |
r) | 声質6(ロボット)で読み上げ | r)ロボットです |
t) | 声質7(機械1)で読み上げ | t)機械1です |
g) | 声質8(機械2)で読み上げ | g)機械2です |
やまびこ) | やまびこっぽい残響 | やまびこ)やふー |
エコー) | エコーっぽい残響 | エコー)うわああ |
右) | 右のスピーカーのみ聞かせる | 右)みぎから |
左) | 左のスピーカーのみ聞かせる | 左)ひだりから |
両) | 左右のスピーカーから聞かせる | 両)いつもどおり |
声(1-8の数字) | 1-8の声質を切り替える | 声(1)あああ |
速度(100を基準とした数字) | 数字に合わせて速度変更 | 速度(200)はやくよむ |
音程(100を基準とした数字) | 数字に合わせて音程変更 | 音程(150)うううう |
音量(100を基準とした数字) | 数字に合わせて音量変更 | 音量(50)声ちいさいかな |
音量(数字 数字) | 左右のスピーカーの読み上げ音量変更 | 音量(0 100)みぎからー |
残響(数字 数字 数字) | 残響の各数値調整 | 残響(3.0 0.2 60)やっほー |
教育(単語=よみ) | 単語のよみかたを辞書登録 | 教育(YouTube=ユーチューブ) |
忘却(単語) | 単語の読み方を辞書から削除 | 忘却(YouTube) |
再生(音声ファイル名) | 音声ファイルを再生 | 再生(chimes.wav) |
※声質/速度/音程/音量/残響の効果は同じ行に限られます。
※速度/音程/音量の入力数字は設定に対するパーセンテージ(100を基準)です。
※再生の音声ファイル名は拡張子を省略できます。
省略した場合はWAV,MP3,WMAの中で最初に見つけたファイルを再生します。
CastCraftのScreen機能を用いれば、視聴者のコメントをコマンドとして設定して、 ペンライトや文字エフェクト、花火などの画面演出 を手軽に追加することができます。
棒読みちゃんで視聴者から起動できるコマンドを設定できたら、コメントに反応する画面演出コマンドも設定してみましょう。
棒読みちゃんのタグ機能を活用すると、視聴者が楽しみ過ぎてしまう場合があります。
とくに、長いコメントを連投する視聴者が一定数いるので、対策方法を確認しましょう。
配信ソフトにより対策方法は異なりますが、今回はOBSでの設定方法を次のように解説します。
また、ここで解説する手順で設定するためには条件があります。
上記の条件を満たしている方のみできる設定方法のため、自分のパソコンとOBSのバージョンを確認の上、参考にしてみてください。
まずは、OBSを起動して配信に流れるデスクトップ音声をすべて消してください。
音声ミキサー上にあるデスクトップ音声のスピーカーマークをクリックすれば、ミュート状態になります。
左上の「ファイル」から「設定」メニューを開いても、設定可能です。
設定メニュー内にある「音声」タブをクリックして、デスクトップ音声を無効にすれば同様にマイク以外の音声を消せます。
設定から消した場合は、音声ミキサー内のデスクトップ音声自体がなくなるので、再表示させる際はもう一度設定から有効にしてください。
デスクトップ音声を消したら、棒読みちゃん以外の配信上に音声が流れるアプリケーションを追加しましょう。
ソースの「+」ボタンから「アプリケーション音声キャプチャ」を追加してください。
追加すると、どのアプリケーション音声を配信に流すのかを選択できるので、棒読みちゃん以外の配信コンテンツを指定してください。
設定画面を閉じると、指定したアプリケーション以外の音は拾わないように設定できています。
今回はゲームの音声のみを指定していますが、ほかにもDiscordの音声を配信上に入れたい場合は、さらにアプリケーション音声キャプチャを追加してDiscordを指定してください。
一つのソースには一つのアプリケーションのみ指定できると認識しておきましょう。
アプリケーション音声キャプチャがONの状態でデスクトップ音声のミュートを解除すると、ハウリングが起こり金属音のような音が鳴るため、併用しないように注意しましょう。
棒読みちゃんは、商用利用可能です。
配信での収益化やそのほかの利用についても、棒読みちゃんは無償で利用できるので安心してください。
棒読みちゃんの配布サイトでは利用目的について、次のような記載があります。
営利・非営利を問わず無償で利用できると記載されているので、棒読みちゃんを使用した配信で収益化しても問題ありません。
今回は、棒読みちゃんの使い方について解説しました。
棒読みちゃんは単にコメントを読み上げさせるためのソフトではなく、カスタマイズすれば配信を盛り上げるコンテンツになり得るソフトです。
また、OBSを利用すれば棒読みちゃんを乱用する荒らし対策もできるので、便利なツールとして多くの配信者が活用しています。
さらに、棒読みちゃんの起動忘れを防ぐコメビュのCastCraftやマルチコメビュもおすすめです。
さまざまなソフトと連携して、配信をより便利かつ楽しく盛り上げてみてください。
棒読みちゃんの使い方をマスターして人気配信者を目指しましょう。
配信で視聴者のコミュニティ形成をうまく行うことで、日常の配信をより面白いものにすることができます。
そのような観点で最もおすすめな配信ツールがCastCraftです。
大きく分けて、
の三つの機能があり、それぞれ下記のような目的があります。
機能 | 目的 |
---|---|
YouTube/Twitchコメビュ | 視聴者が配信に馴染めるようなやり取りをサポート |
Screen | 視聴者とのやり取りを視覚的に楽しくする |
収益化 | 視聴者を大事にする形で収益化する |
CastCraftのYouTube/Twitchコメビュで視聴者ごとにコメントを蓄積することで視聴者全員を覚えて、配信中のダッシュボードで分かりやすく情報を表示することで、視聴者が常連化していくためのやり取りをサポートします。
特定の条件に当てはまった視聴者やコメントに対して、Chatbotやリッチな画面演出で視聴者をインタラクティブに楽しませる仕組みも作ることができます。
さらに、視聴者を大事に定着させながらも配信活動のための収益を上げる仕組みも提供しています。
CastCraftは上記のような機能により、配信者(ゲーム配信者やVtuber)が視聴者との関係を深めることを手助けします。
導入している配信者さんの事例としては、
等がいらっしゃいます。
導入されたチャンネルの総登録者数は1.3億人を超えており、これまで120万回以上の配信で使われています。
CastCraftを活用すれば、視聴者との関係をより良いものに進化させ、あなたの配信コミュニティをより濃いものにできます。
日々の配信をより楽しくするために、ぜひ導入を検討されてみてください。