OBSのフレームレートを正しく設定できているでしょうか?フレームレートとは、「1秒間の映像を何枚の画像で表示するか」を表す数値です。フレームレートが高いほど滑らかに動いているように見えます。見やすい配信をするうえで、フレームレート設定は重要な要素です。
ライブ配信のフレームレートは60fpsが主流です。しかし、OBSでは120fpsといった、60fpsより高いフレームレートも設定することができます。フレームレートは上げればいいというものではないのです。
本記事ではOBSのフレームレート設定について詳しく解説します。60fpsがおすすめの理由についても説明するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
OBSで設定するフレームレート(FPS)は、映像のなめらかさを左右する重要なポイントです。
一般的な配信であれば60fpsにしておけば十分ですが、動きが速いゲームやスポーツを扱う場合は、より滑らかに見せるために 高FPS(例:120fps)が使われることもあります。
ただし、高FPSにするとPCや回線への負荷が一気に上がります。PCの性能やネット環境が追いつかないと、逆に映像がカクついてしまう原因にもなります。
自分のPCスペック・GPU性能・通信速度を踏まえて、無理のないFPSを選ぶことが大切です。
OBSのフレームレート設定は「映像タブ」から行います。「映像タブ」の「fps共通値」のプルタブから好きな数値を選択することでフレームレートの設定が可能です。設定が完了したら「OK」をクリックして設定を保存してください。
設定するフレームレートの数値は「60」がおすすめです。多くの配信プラットフォームで60fpsまでのフレームレートに対応しています。ただし、配信プラットフォームによっては30fpsまでしか対応していない場合があるので注意してください。
60fps以上に設定する場合も「設定」の「映像タブ」から行います。「fps整数値」で120fpsまでの好きな数値を入力してください。「fps分数値」で分母を「240」分子を「1」にすることで最大240fpsまで設定することも可能です。60fps以上の設定をする場合は「fps整数値」「fps分数値」を活用しましょう。ただし、フレームレートを上げれば上げるほどPCの負荷も大きくなる点は注意してください。
見やすい配信を実現するための設定はフレームレート設定だけではありません。
上記の設定も合わせて確認しましょう。
フレームレートを上げても、ビットレートが適切な数値でないと高画質の配信はできません。
配信プラットフォームごとに、ビットレートの上限値が設定されています。例えば、Twitchの上限値は6000kbpsです。その他の配信サイトでもビットレートの上限値や推奨値が公開されています。
ビットレートは「出力タブ」の「エンコーダ設定」から設定できます。数値を入力後は「OK」をクリックしてください。
インターネット回線が不安定な場合はビットレートを下げる必要があります。配信してみて問題が起きたら、少しずつビットレートを下げましょう。配信を開始してOBS右下にあるアイコンが緑色であれば問題ありません。
エンコーダとは、OBSに取り込んだ映像データを配信できる形に圧縮するためのものです。適切なエンコーダを使用することでPCへの負荷を軽減し、配信がカクつくことを防ぎます。
OBSのデフォルト設定では、CPUに付随する「×264」に設定されており、PCへの負荷が大きいです。GPUに付随するその他の設定に変更しましょう。使用可能であれば「NVIDIA NVENC H.264」がおすすめです。
エンコーダ設定は設定の「出力タブ」から行います。
FPSが落ちる主な原因は「設定の負荷・ソースのFPS不足・PCスペック不足・通信環境」の4つです。
それぞれの原因と改善方法を詳しく解説します。
解像度やfps値、ビットレートなどを必要以上に高く設定すると、PCに過剰な負荷がかかり、OBSの描画処理が追いつかなくなることがあります。特にソースのFPSより高い値をOBS側で設定している場合、無駄な処理が増えてしまいます。
ソースのフレームレートに近い設定へ調整し、解像度やビットレートをPC環境に合わせて適正な値に見直すと、処理が安定しやすくなります。
ゲーム側のフレームレートが低かったり安定しない場合、そのままOBSにも伝わり、映像がカクついて見えることがあります。負荷の大きいゲームでは、PCの処理がゲームに集中してしまい、OBSの動作が重くなるケースも少なくありません。
ゲーム内のグラフィック設定を下げて負荷を軽くすることでフレームレートを安定させやすくなります。また、ゲームを先に起動してからOBSを開くと、PCのリソース配分が安定し、よりスムーズに配信できるようになります。
CPUやGPU、メモリといったPCの処理能力が限界に達すると、OBSが滑らかにフレームを生成できずFPSが低下します。裏で複数のアプリが動いていると、その影響でOBSの処理速度が落ちることも珍しくありません。
配信中は不要なアプリを閉じ、処理をOBSに集中させることが重要です。並行して重い作業(動画のレンダリングや大容量ファイルの移動など)を行わないだけでも、FPSが安定しやすくなります。
ライブ配信では、ネット回線が不安定だと視聴者側で映像が止まったりカクついたりします。ビットレートが回線速度に対して高すぎる場合も、映像が途切れやすくなる原因です。
改善策としては、配信前にネット速度をチェックし、回線に見合ったビットレートへ調整することが効果的です。また、映像が不安定なときはルーターを再起動や有線接続へ切り替えることで通信が安定しやすくなります。
ここまでの説明を読んで、画質を良くするためにフレームレートをできるだけ上げようと思う人もいるかもしれません。しかし、OBSのフレームレート設定を60fps以上に上げても基本的には意味がありません。なぜなら、60fps以上の映像に対応している配信プラットフォームがないからです。例えば、YoutubeやTwitchでは30fpsあるいは60fpsの設定が推奨されています。PCのスペックが高くても60fpsに設定していれば十分に高画質な配信が可能です。
録画であれば、60fps以上に設定することで高画質な動画を楽しむことができます。その場合、高フレームレートに対応しているモニターが必要です。
ここまでさまざまな設定を紹介してきましたが、適切な設定をしたとしても高画質配信を実現できるとは限りません。60fpsに設定したとしても、PCのスペックが低いと配信がカクつく可能性もあります。PCのスペックが低い場合は、画質を犠牲にして負荷を小さくする設定が必要です。
PCだけでなく、インターネットの通信速度も重要です。高スペックのPCで適切な設定をしたとしても、上り下りともに1Mbpsでは高画質配信はできません。解説した設定を実践して配信に問題がある場合は、よりハイスペックなPCへの買い替えやインターネット回線の見直しをおすすめします。
縮小フィルタとは、配信画面を縮小して出力する際に起こる画質の低下を抑えてくれる機能のことです。PCスペックの都合で基本(キャンパス)解像度と出力(スケーリング)解像度が異なる場合に使います。縮小フィルタを設定することで、PCへの負荷を小さくしつつ高画質で配信することが可能です。
特に顔出しのゲーム実況をするときに縮小フィルタは便利です。小さく表示する自身の顔を綺麗に見せることができます。
縮小フィルタの設定は「映像タブ」から行います。プルタブに表示される4種類から好みのものを選択してください。基本(キャンパス)解像度と出力(スケーリング)解像度が同じ数値の場合には設定不要です。
縮小フィルタにはさまざまな種類があります。細かな違いですがそれぞれ特徴があるので、自身の配信に合わせて種類を変えてみてください。
ランチョスは最も高画質なまま縮小するフィルタです。その分、PCへの負荷も大きくなります。輪郭が少し太く、くっきりと見えるようになるのが特徴です。
バイキュービックもランチョス同様にくっきりと見える縮小フィルタです。ランチョスと比較して多少粗くなりますが、PCへの負荷が小さくなります。PCスペックの都合でランチョスを使えない人におすすめです。
エリアは輪郭が滑らかに見えるのが特徴です。ただし、全体的に少しぼやけている印象になります。PCへの負荷はランチョス、バイキュービックよりも小さいです。
バイリニアはPCへの負荷が最も小さい縮小フィルタです。PCに負荷をかけずに画質を上げたい場合はバイリニアがおすすめです。 仕上がりはエリアと同様、輪郭が滑らかで全体的にぼやけた感じになります。画質はエリアよりも少し粗いです。
OBSのフレームレート設定は配信の見やすさに大きな影響を与えます。60fpsに設定することで配信の動きが滑らかになります。YoutubeやTwitchで配信する場合には60fpsに設定しましょう。また、見やすい配信を実現するのはフレームレート設定だけではありません。エンコーダ設定や縮小フィルタ設定など、細かな設定をすることでより高画質な配信が実現可能です。OBSで正しく設定を行い、視聴者が見やすい配信にしましょう。
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