Voicemeeter Bananaとは、配信の音声に関して様々な加工や調整ができる「仮想オーディオミキサーソフト」というジャンルのソフトウェアです。Voicemeeterのバージョン違いでStandard(簡易)、Banana(標準)、Potato(高度)があり、本記事では標準バージョンのBananaを解説します。
インストールから使い方、トラブルシューティングまで解説させていただきますので、是非参考にしてください。
まずはダウンロード&インストールについての解説をしていきますが、記事執筆時のバージョン(Version 2.0.6.8)と異なるバージョンをインストールする場合、多少手順が変わってくる場合がありますので注意してください。
Voicemeeter公式サイトにアクセスし、Bananaバージョンのダウンロードボタンをクリックしてインストーラーをダウンロードしてください。
ダウンロードした「VoicemeeterSetup_v2068.zip」を右クリックし、「すべて展開…」を選択してください。展開してできた「VoicemeeterSetup_v2068」フォルダ内の「VoicemeeterProSetup.exe」をダブルクリックしてインストーラを起動します。
「Install」をクリックしインストールが完了すると、英語で再起動するように書かれたポップアップが表示されます。ウインドウを閉じて再起動を行いましょう。
再起動後、Voicemeeterを起動してください。オーディオミキサーに触れたことがない方は要素の多さに驚くかと思いますが、まず以下の通り大まかに切り分けて「何をする部分か」解説いたしますので、順番に読み進めていってください。
①音声入力デバイス:HARDWARE INPUT1~3まで、マイクなどの音声入力を3つまで設定できます。
②エフェクトパネル:入力した音声にエフェクトをかけることができます。
③Comp&Gate:入力された音声の小さいノイズなどをカットしたり、大きすぎる音を抑えたりする調整ができます。
④出力調整:出力する音量の調整や出力先の設定を行います。
①音声入力設定:Voicemeeter VIO、Voicemeeter AUXの2種類あると思いますが、こちらはハードウェアインプットと違いそれぞれ役割が違うものになります。
②イコライザー:入力した音声を調整することができます。
③サラウンド設定:前後左右、どこに音の中心を置くか設定ができます。
④出力調整:出力する音量の調整や出力先の設定を行います。
①音声出力設定:まとめた音を最終的にどこに出力するか設定します。設定次第で出力先によって聞こえるものを変えることができます。
②録音コントロール:入力した音を録音することができます。
③イコライザー設定:入力した音声の調整を行なうことができます。
④音量調整:入力した音声の大きさを調整することができます。
HARDWARE INPUT表記の下にある「Select Input Device」をクリックすると、入力デバイスを選択することができます。
その時に「WDM:マイク名」「MME:マイク名」など、同じデバイス名がついたものが複数出てくると思います。WDM、MMEというのはドライバーの規格名なのですが、正常に動作するようであればWDMを選択してください。
細かな違いは本記事では割愛しますが、「MMEの方が古い規格で、遅延が大きい」という事だけ覚えておく程度で大丈夫でしょう。
「デバイス名だけでは分かりにくい」と感じる方は、「HARDWARE INPUT」を右クリックして名前を「マイク」など分かりやすいものに変更しておきましょう。
次に、「A1」をクリックしてグレーアウトさせ、オフにしてください。
HARDWARE OUTの下の「Select Main Output Device(A1)」が点滅していると思いますので、その左にある「A1」をクリックし、使用しているスピーカーなど出力したいデバイスを選択してください。ここでもWDMと書かれたもので問題ありません。
手順1、2が完了したら、マイクに向かって声を出してみましょう。2箇所のインジケータが反応していれば成功です。
この時手順1で「A1」をグレーアウトさせていないと、自分の声が出力デバイスから返ってきます。加えて、MASTER SECTIONのA1のインジケータも反応します。A1をクリックしてオフにしましょう。
どのインジケータも反応しない場合、マイクのオンオフや、マイク自体にミュート機能があればそこも確認しましょう。
次はWindows側で設定を行ないます。
Windows設定から「システム > サウンド > サウンドの詳細設定」と進み、サウンドコントロールパネルを開いてください。再生タブと録音タブ両方にVoicemeeterから始まる項目が2個ずつ、合計4つ表示されている事を確認してください。
「Windowsキー+R」でファイルを指定して実行ウインドウを開き、「mmsys.cpl」と入力してEnterキーを押しても開くことができるので、やりやすい方で実行してください。
4項目をそれぞれ右クリックし、以下の様に設定してください。
再生タブ
録音タブ
Voicemeeter Bananaに画面を戻し、ルーティングという作業を行います。
画像の通り、B1をグレーアウト、B2をオンにして入力先の設定を行ってください。この「VIRTUAL INPUTS」部分はPC内の音声とDiscordから出る音声に対応しているので、分かりやすく「PC音」「Discord」など名前を付けておきましょう。
色々な音声をVoicemeeter Bananaに入力する設定を行なったので、そこからOBSに音声を入力する設定も必要になります。
OBSの設定画面から「音声」部分に移動し、以下のように設定を変更してください。
デスクトップ音声:無効
マイク音声:VoiceMeeter Output
マイク音声2:VoiceMeeter Aux Output
次に音声ミキサーのパネルの「マイクをB1」に、「マイク2をB2」に名前を変更してください。以下画像の色で囲った部分が連動しています。
今回ミキサーの類を始めて操作した方は「音声がどの部分を通ってどのインジケータが反応して、どこから音が出る」という様な状況がよく分からなくなっているかもしれません。何度か出てきた名前の変更をしっかり行なっておかないと、後でトラブルがあった時にどこを触ればよいか分からなくなってしまいますので、忘れずに変更してください。
「Windowsのサウンド設定」で解説した通りVoicemeeter Bananaを「既定デバイス」や「既定の通信デバイス」に設定している場合は、Discord上の設定は「Default」で問題ありません。
音が認識されない、相手の音が聞こえないなどのトラブルが発生した場合は以下の設定を行ってください。
Discordの設定画面を開き、「音声・ビデオ」の欄に移動してください。入力デバイスと出力デバイスの欄を、以下の画像の通り「Voicemeeter Output」「Voicemeeter Aux Input」に変更しましょう。
「INTELLIPAN」パネルでマイクの音声を加工することができます。
「Color Panel」「Fx Panel」「3D Panel」の3種類がありますので、それぞれ解説していきます。
加工するマイクの「A1」をクリックし、自分の音声を確認しながら調整していきましょう。
Color Panelでは声質の高低などを変化させることができます。「Lo」「Hi」表示の通り、オレンジのボタンを左に移動させれば声質が低くなり、右へスライドさせれば高くなります。上に動かすとクリアで明るい声になります。
変化をさせ過ぎると息やノイズまで強調されてしまったり、聞こえにくくなることもあります。聞き返して極端になり過ぎないように気を付けましょう。
Fx Panelは音声に特殊なエフェクトをかけることができます。実際に触ってみると分かりやすいですが、声にビロビロと言った感じの音が乗ったり、匿名インタビューの声のような加工をすることができます。
3D Panelは声の位置を変更することができます。左右にボタンを移動させると、見た目通り左右の音声バランスが変わります。上に移動させると、その方法のまま声が遠くなります。
外部からプラグインを導入して新たにエフェクトを追加することもできます。
Menu > System Setting / Options…をクリックして、開いたウインドウで「in1 Left」と「in1 Right」をクリックして有効化(青く)してください。
次にプラグインを入れるための「VSTホスト」というアプリをインストールします。今回は例として「Light Host」をインストールします。
ダウンロードページから「Light.Host.1.2.1.Win64.zip」をクリックしてダウンロードしてください。
ダウンロードしたzipファイルを展開して、「Light Host.exe」を実行してください。実行してもウインドウが開くわけではなくタスクトレイにアイコンが追加されますので、アイコンをクリック、「Preferences」を選択して設定ウインドウを開きます。
Audio Settingsウインドウで以下のように設定を変更してください。
次は再度タスクトレイのアイコンをクリックし「Edit Plugins」を選択、Options > Scan for new or updated VST Plug-insに進んでください。
ここからダウンロードしたVSTプラグインを選択して読み込みます。
プラグイン自体ではなく、プラグインの入っているフォルダを指定する必要があるので注意してください。
正常に追加できていれば、タスクトレイのアイコンから開いたウインドウの「Available Plugins」の下にプラグインが追加されていますので、選択して設定などを開くことができます。
Voicemeeter Bananaでは、PCから出る音も加工が可能です。
「EQUALIZER」の3つのスイッチで値を増減することで、「Treble」で高音を、「Bass」で低音を、間にあるスイッチで中音域を調整できます。
下部のサラウンドパネルは3D Panel同様の操作で、オレンジのボタンの位置で音の方向の調整を行えます。
音が何も聞こえない場合、以下の部分を再度見直してください。
今起きているトラブルの原因が分からない場合、Voicemeeter Bananaをアンインストールし、OBSやDiscordなどの設定を一度すべて元に戻し、再度Voicemeeter Bananaをインストールすることがオススメです。
また、Voicemeeter Bananaの表示画面で、どの部分が何を示しているのかを改めて確認して理解することも大切です。役割を理解することで「この設定がオンになっていなかっただけだったのか」と分かるようになり、次回からのトラブルの防止にもつながります。
音声設定に慣れていない方は、本記事の解説はかなり難しい部分もあったかもしれません。音声は配信に映し出すゲームや画像と違い目に見えないものですが、配信画面から目を離しても耳に入ってくる音声は、どれだけこだわっても損がない要素と言えるでしょう。Voicemeeter Bananaで見につく考え方や知識はその他の音声に関するソフトにも活きますので、使い方をマスターして便利機能を使いこなしましょう!
配信で視聴者のコミュニティ形成をうまく行うことで、日常の配信をより面白いものにすることができます。
そのような観点で最もおすすめな配信ツールがCastCraftです。
大きく分けて、
の三つの機能があり、それぞれ下記のような目的があります。
機能 | 目的 |
---|---|
YouTube/Twitchコメビュ | 視聴者が配信に馴染めるようなやり取りをサポート |
Screen | 視聴者とのやり取りを視覚的に楽しくする |
収益化 | 視聴者を大事にする形で収益化する |
CastCraftのYouTube/Twitchコメビュで視聴者ごとにコメントを蓄積することで視聴者全員を覚えて、配信中のダッシュボードで分かりやすく情報を表示することで、視聴者が常連化していくためのやり取りをサポートします。
特定の条件に当てはまった視聴者やコメントに対して、Chatbotやリッチな画面演出で視聴者をインタラクティブに楽しませる仕組みも作ることができます。
さらに、視聴者を大事に定着させながらも配信活動のための収益を上げる仕組みも提供しています。
CastCraftは上記のような機能により、配信者(ゲーム配信者やVtuber)が視聴者との関係を深めることを手助けします。
導入している配信者さんの事例としては、
等がいらっしゃいます。
導入されたチャンネルの総登録者数は1.3億人を超えており、これまで120万回以上の配信で使われています。
CastCraftを活用すれば、視聴者との関係をより良いものに進化させ、あなたの配信コミュニティをより濃いものにできます。
日々の配信をより楽しくするために、ぜひ導入を検討されてみてください。